記録:「学力の経済学」(中室牧子著)
出版された2015年頃に一度読んだっきりになっていた本書。(そのころはまだ結婚もしてなかったなあ・・・)
子供の教育についてはSNSやメディア等で様々な情報が流れていますが、
どの情報が「科学的に」正しい情報なのかを知る上で大変参考になります。
他の人の成功体験をそのまま真似することが正しい訳はないと思いつつも、
ついつい試してみたくなることありますよね・・・
本書では、相関関係と因果関係を徹底的に区別しているので、
科学的に効果が高いといわれている子供との接し方や教育法がわかります。
たとえば、よく「本をたくさん読む子は頭が良くなる」と言われますが、
これは本をたくさん読むように親が子供に指導するような家庭の子はもともと頭が良い可能性があります。また、このような家庭の子は読書以外にも様々な教育を受けている可能性が高いです。
つまり、本をたくさん読むことと頭がよくなることは相関関係にはありますが
因果関係にあることは実は科学的には証明されていません。
こういう事実を知った上で、自分の子供に合った接し方や教育法を検討できれば、
溢れる情報に惑わされることも少なく、正しい取捨選択ができそうですよね。
備忘までにいくつか内容をご紹介します。
◎ご褒美は「テストの点数」などのアウトプットではなく、「本を読む」「宿題をする」などのインプットに与えるべき。そしてそのインプットは遠い将来ではなく近い将来のものにすることで、「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせることなく学力を向上させることが可能。
◎アウトプットにご褒美を与える場合には、どうすれば成績等をあげられるのかという方法を教え、導いてくれる人が必要。
◎むやみやたらにほめる育て方はむしろ逆効果となる可能性。自尊心が学力を高めるのではなく、学力が高いことが自尊心を高める。
◎学力が高い友達に影響を受けるのは上位層だけ。一方で、反社会的な行為については悪友からの影響を受けやすい。引っ越しという強制的な環境変化が子供を守る可能性もある。
あと、この本の良いところは、ページの上部に要約が載っていること!
時間がない方はその要約をパラパラ見るだけでも勉強になると思います。